それぞれの幸福の自給自足法

2016年12月2日(金) @下北沢B&B

8.質問コーナー(2)

鶴見 何かありますか?

大原 これ、この人phaさんのことすごい好きだと思う。

pha (笑)

鶴見

phaさんは猫を大事にしていますが、所有しないことを心掛けているのに。猫はどんな存在ですか?

pha あー。

大原 猫は大事にしている。

鶴見

猫のためなら嫌でも働きますか?

っていう(笑)。

pha (笑)どうですかね。猫は同居人でもあるし。でも自分がやっぱり面倒をみてるって感じはありますね。

猫のためなら働けるかもしれないですね。そんなにお金が掛かるものでもないけれど。うーん、猫は自分が面倒みないと死んじゃいますからね。

大原 家猫でしたっけ?

pha 家猫ですね。

大原 あー、そっか。半ノラみたいな感じだとね、だいぶ大丈夫ですけど。

pha 猫のためには毎日やっぱトイレ掃除とかやってますしね。猫のウンコ捨てて、エサをやってみたいな。

鶴見 俺もそういえばね、幸せを感じる時

大原 はい。

鶴見 ずっともう20年近く、オレ野鳥寄せてるんですよ。

大原 (笑)

pha おー。

鶴見 野鳥のために毎日毎日ちょっとのパンくずだとか、米粒だとか置いたりとかして。ほんとにもう毎日ですよ。でも飽きない。

野鳥なんかもう見ないかもしれない。見れることもあんまりなくって。昔は何かちょっと双眼鏡でこう、家のスペースに置いたりとかして見てたりしたんだけど。

最近はもうそれが食べられてる。綺麗に食べるんだけど、

大原 形跡だけが。

鶴見 食べられてればそれでもう何かね、「よしよし」みたいな(註1)。

pha・大原 (笑)

鶴見 「来てるな」みたいな感じで。それも何かこう、人のこと世話したくないなんて思ってるけども、そういうのは意外と良かったりもしますね。何かね。

pha そう。世話するの楽しいのはある程度ありますね。

鶴見 そういう構ったりすることは面白い。あとは?

pha これも似てるかもしれないですけど。

phaさんに。起業して周りの人に仕事を分けようと思ったことはありますか?

でも何かね、やれたら、周りの人に仕事を分けられたらいいかなっていう気はするんですが。

起業とかする能力はないというか。そういうややこしいことできないのがありますね。けっこう自分……

大原 起業しなきゃダメなんですかね? 周りに仕事与えれればOKみたいなとこ……。

pha やっぱり仕事与えるってのは、どっかから仕事をとってくるか仕事作り出して与えるってことだから。結局、起業になると思うんですけど。

苦手なんですよね。自分一人で何かね、文章書いたりとかやってる分には出来るんですけど。集団でやるとか、あとお金を回していくの。計算とか苦手なので。

「できる人がいたらいいな」っていう感じですね。

大原 それもphaさんかな?

鶴見 そうですね。

pha あー。

大原さんは一人でいるのが好きだったと言ってますが、phaさんは昔から緩いつながりを持つのが好きだったのでしょうか?

僕は何か昔からは、昔はほんと友達いなかったんですけど。高校生の時とか。

大学に入って寮に住んで。寮で緩い感じで人がいるのがすごいあったので。それでまあ、「そういうのが好きだなあ」って思って気づいた感じですね。

逆に親密な……今もシェアハウスにいますけど、そんなにシェアハウスのつながりって親密なつながりではないんですよね。

周りにいるけどそんなに会話しなかったりとか。緩く集まってるっていう感じで。逆に親密な関係は苦手なので。

ゆるーく人がいるぐらいがちょうどいい、という感じですね。

鶴見 大学のとき突然寮に入って人間関係の苦痛とかはないんですかね?

pha あー、なかったですね。

鶴見 それまでは割と一人とか。

pha いや、逆に「何ていいとこなんだ」みたいな。

鶴見 へー。

pha それまでは人付き合い苦手だったんですけど。やっぱ何か喋ったりしなきゃいけないのが苦手だったんですけど。

寮だったら喋らなくても漫画読んでるだけで何となく輪に入れてるみたいな。みんなそんな感じで。

漫画読むか、ゲームするか、麻雀をするか、とかをしてれば輪に、人のいる場所に存在できるみたいな。それが楽でしたね(註2)。

だから今でも飲み会とか行くの苦手なんですけど。だから外で人と会うの苦手だけど、家で何となく何人かがダラダラしてるみたいなのが一番居心地いいんですよね。

大原 いるかいないかあんま問われてないですよね。

pha そうそう。いなくてもいい。

大原 シェアハウス。

pha そう。自分がいきなりいなくなってもいいし、誰かいきなりいなくなってもいいみたいな。そういう場があればいいと思うんですけど。

大原 小学生とかすごいですもんね。「お前はこの輪の中にいるのかいないのか!」っていうあの圧力。

pha あー(笑)。学校とかね。ほんとそういう感じ。

大原 学校とかそうですよね。

鶴見 オレも確かに学校時代を経験しちゃうと、もう「一人の方が俺には合ってる」と思ったけども。

最近は何か今ぐらいの歳になってくると、わりと人とゴタゴタしてるのが好きになってきたりとかして。

その頃は「やっぱり一人がいい」って思ってたけど、「俺はそうでもないのかな」とか思ったりするようなこともありますね。

大原 へー。何か楽しみですね。そういう話聞くと。自分がどう変わってくのか? とか。

鶴見 いざね、そうやって寮に入ってみたら楽になった、楽だったということもあるかもしれないしね。

pha この辺……年をとったらみたいな話で。

大原 一つは

長生きすることはリスクかもしれません。健康的に生きながら長生きしない技術がありましたらご教授ください。

鶴見 (笑)

pha (笑)難しいですね。ピンピンコロリみたいな。もしくは自殺か(笑)。

鶴見 健康的に生きながら

pha 長生きしないんですからね(笑)。

大原 で、もう一つは

10年後20年後、老後のことを考えると不安になります。考えても悩んでも仕方がないことだとは思いますが、みなさんは将来への不安とどう向き合ってらっしゃるんでしょうか?

pha 僕はあんまり不安にならないというか。さっきも言ったけど先のことが想像できないから。「まあ、何とかなるだろう」とか思うんですけど。

でも、これよく聞かれますね。不安じゃないのか? って。

大原 私もよく聞かれます。

pha みんなそんなにやっぱり

鶴見 あー、不安ね。

pha 先のことちゃんと考えてるんだって思って。

大原 私はあんまり死んじゃいけないと思ってないというか。宝島社の企業広告で樹木希林さんがおやりになった広告覚えてます?

「死ぬときぐらい好きにさせてよ」っていうキャッチコピーだったんですけど(註3)。あれを見て「ほんとにそうだな」と思って(註4)。

私も死ぬことあんまり悪いと思ってないので。まあ、生きたら生きたで生きますし。死んだら死んだで諦めますし。

死なせないように必死ですね。社会がね。

鶴見 「将来どうするんだ」みたいな。「蓄えがないぞ」とか。「今辞めたらお前将来大変なことになるぞ」とか言って。俺もすごい辞めるとき言われましたもん。

その「将来」が曲者だよね。「将来のために生きてんのか?」とか。「え!? じゃあ、もうそれ老後のために生きてるってこと?」みたいなね、ふうになっちゃうから。

元々長生きしたいと思う人はそれでもいいんだけど。そんなに長生きにこだわってない人間だったなと思えば、

大原 長さより質の方が。

鶴見 長生きのために今を犠牲にするってのは、また何かそれ変なことだよね。

大原 より良く生きたらいいんじゃないでしょうかねえ。あんまり長生きを目的にしすぎてもね、辛いですし。健康的に生きながら長生きしない技術ですよね。

鶴見 その分、そういうの考えたら昔の方がもうちょっと、何かロックの歌とかでも老いぼれたときの、杖をついたときのことまで考えて生きてられないとか。

JUN SKY WALKER(S)の歌なんだけど(註5)。そんなことがよく言われてて。

今の方がすごい備えとか、着実なナントカとか。後になって困ってみっともない思いしたくない的なノリがすごい強いような気がするな。「しっかりしようよ」みたいなね。

pha みんなしっかりしてるんですかね。やっぱり今の若い人とかは。

鶴見 着実な感じが。昔は映画とかの「イージー・ライダー」とか、そういう映画とかでも最後にバーッと死んじゃったりとか。

大原 もう何かすごい刹那的ですよね。あの映画。

鶴見 ああいうのがみんな好きだったってことは、ある程度「今とは意識も違うんだろうなあ」というね、気がしますけどね。

pha もうそろそろ10時。

大原 そうですね。

鶴見 そうですね。じゃあ、まあこれも……

大原 これ……

日本社会はあまり好きではないですか?

私に質問なんですけど。

日本は他の国と比べて生きづらいでしょうか?

私は生きづらい気がします。日本好きですけどね。

pha 台湾、そういえば「台湾も意外といろいろ大変」みたいな話は言ってましたけど。台湾のいいとこみたいなとかもあるんじゃないですか? 日本とは違って。

大原 うーん。いい所……。

pha 何か。細かいこと気にしないとか何か(笑)。

大原 細かいこと気にしないですね。確かに。やっぱり暑いから。暑いと色んなことがどうでもいい、よくなるんじゃないかなあと思ってて。

pha 南国はそうですよね(笑)。だいたい。

大原 まあ、あと人間が本来のペースで生きてる気がしますね。普通にほっとくと「人間これぐらいのペースで生きるんだろうな」っていう感じで。特に慌てることもなく。

でもね、日本……私ね、日本好きですけどね。でも「どこに住むか?」ってあんまり関係ない気がするというか。

いろいろ世界中放浪してたもんですから、あんまり行きすぎるとどこに住んでも一緒になっちゃうっていうか。

自分が、何人か友達がいてやりたいこと出来てて。あ、やりたくないことをやらなくて良くて、ハッピーに生きてたらどこでもいいですね。

日本社会は嫌いかもしれないですね。

pha (笑)

大原 日本は好きですけど。私日本が好きって言うとき、何かこの文化とか言語とか自然とか。そういうことになっちゃうので。

日本国家とか社会とかは……

pha 社会と関わらずに

大原 好きとか思ったことはないかな。

pha 社会と関わらないのが隠居ですもんね。

大原 そうですね(笑)。上手くまとまりました。

鶴見 これは俺、俺に対してはまた別なんだけど。俺はこっちの方に俺的にすると、やっぱり日本の国、ちょっと海外から帰ってきたりとか東南アジアから帰ってきたりして見ると、やっぱり暗いというかですね、

大原 うん。それはね、思います。

鶴見 すごい窮屈。閉塞っていう感じがほんとピッタリくる。人はすごいいっぱいいるのにさ、すごいいっぱいいるのに全員黙ってるだとか。

あんなにさあ、人がいっぱいいたらもう東南アジアとかなんてきっとあれだよね、すごい騒ぎ。騒がしくなってると思うんだけど。

みんなこう、ずーっと黙々と歩いて秩序が整ってるみたいな。そんな所はすごいありますね。何かね。

だから俺は日本の社会すごい好きじゃないですよ。一所懸命に何か頑張ってるみたいな。

大原 ここはたぶん海外に暮らしたことがある組というか。

pha ちょっとありますね。

大原 何か関係あるんでしょうかね? 鶴見さんは海外に住んだことはありますか?

鶴見 住んだことはないけども。

大原 海外に住むと「海外もそんなにユートピアでもないなあ」みたいな感じありますもんね。

pha それはありますけど、でもやっぱり日本を相対化できるみたいなのはありますね。

鶴見 少なくともブラブラしてる人はいるでしょう。

pha そう。ブラブラしてる人は多いですよね。やっぱり南の方が多い(笑)。

鶴見 オッサンとか。

大原 昼間っからね。酒飲んでね。

pha 昼間から。何か働かない。

鶴見 隙間がある所がいい。

大原 グラデーションがありますよね。人間の。

pha まあユートピアはないし、日本は日本でいい所がいっぱいあるし。まあ、どこも……

大原 密入国しても来たい人もたくさんいますしね、日本って。なるべくいい所にいつつ、

pha 日本にいつつ日本社会と関わらないのが一番いいのかなっていう感じはします。やっぱり。

大原 あー! それすごいいいですね。

鶴見 なるほど。いい所だけとって。

pha いい所だけ(笑)。

鶴見 いい所を利用するっていう。

pha それは……日本の文化とかね、そういうのは。料理とかね。食事とか。

鶴見 なるほど。

大原 文化の力はね。

pha いいと思うので。

鶴見 じゃあ、一応これで質問終わったんですけど。何か最後に言っておきたいことがあるとか。これだけは強調しておきたいとか、言い忘れたとかがあったら。

大原 私は

鶴見 締めの言葉をこう……。

大原 え? いや、もうほんと今日来てくださったみなさんと、B&Bのスタッフさんと、共演者の2人にありがとうございますと言いたいですね。はい。

おかげ様でね、今日も満員で。立ち見まで出た。

鶴見 そうですね。

大原 立ち見も売り切れみたい。

鶴見 そうそうそう。すぐに売り切れてしまったそうで。

大原 ええ。本当にありがたいことです。ありがとうございます。何かありますか?

pha 僕もそうですね、来ていただいてありがとうございますっていうのと、本とかを読んでいただいてありがとうございますという感じですね。

今後もまあ、あんまり「こうしよう」というのはないですが、今までと同じようにブラブラやっていってると思うので。

よかったら本やブログなど見てくださいという感じです。鶴見さんはどうですか。

鶴見 まあそうですね、けっこう言ったね。けっこう言ったので。あえて最後に同じこと繰り返すこともないが。

とりあえずじゃあ、ほんとにありがとうございましたということで。

大原 本が売ってるので。サインとか。

鶴見 そうそう。俺の本も。けっこう何年も前に出した本なんですけども。そっちに。

pha ありますので。

鶴見 みなさんの本も、この2人の本も

大原 はい。

鶴見 バックナンバーというか。もっと前の本も売ってるし。

pha そうですね。

鶴見 俺の本もそこに置いてあったりするんで。

大原 もしよかったらサインの時間も……ちょっと許す限り。

鶴見 そう。この後はサインとかを受け付ける時間になってますので。

pha・大原 はい。

鶴見 もし買っていただいてサインのほしいというのあったら

大原 はい。

pha 持ってきてください。

鶴見 持ってきてくださーい。じゃあ、

大原 ありがとうございました。

pha これでとりあえず、

鶴見 今日はどうもありがとうございました。

pha ありがとうございます。

(註1)「野鳥がすぐそこで餌をついばんでいるのを見るのは、なんとも心が和む。仮に見ることができなくても、餌が毎日きれいになくなっているのを見るだけでも楽しいものだ」(鶴見済『0円で生きる』P202)

(註2)pha「熊野寮の思い出」/phaの日記を参照。

(註3)「宝島社 企業広告 2016年」を参照。

(註4)「私はどうやって死ぬんだろうか。何歳でも、ひとりで死にたいな。「自宅アパートで孤独死♪(๑≧౪≦)てへぺろ」とかいいな。ほんと、死ぬときぐらい好きにさせてよ、ね」(大原扁理「『人間臨終図鑑』」/大原扁理のブログより)

(註5)JUN SKY WALKER(S)の曲「全部このままで」には「将来に君がやがて/ツエをついた時にわかる/そんな事を心配してまでは/生きて行けない」という一節がある。

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