それぞれの幸福の自給自足法

2016年12月2日(金) @下北沢B&B

7.質問コーナー(1)

鶴見 じゃあ、質問、質問をいっぱいもらったので。

pha 質問に行きますか。

鶴見 質問。

大原 すごくたくさん。ありがとうございます。

鶴見 どれかやりたい……何かあります? よかった、よかったやつとか。簡単そうなやつから。これとかいい。

20代の頃の自分に何かアドバイスをするとすれば?

っていう。

大原 私2年前なんですよ。

鶴見 あ(笑)。

pha そんなに経ってないですね(笑)。

大原 そんな昔じゃない。

pha でももっと若いとき。ハタチぐらいの。

鶴見 20歳にしましょうか。20歳。

大原 20歳。うーん……試しに10年生きてみろ、って感じですかね。自分が生まれて生きてきたことの結果って、いっぱい生きてみないと分かんないっていうか。

自分がやってきたことが、どういうことになるのかを見届けるのに時間がかかる。5年とか10年とか。

だから「試しに10年生きてみたらどうかな」って感じですかね。どうですか?

pha 僕はあれですね、28の時に会社を辞めて今みたいな生活になったんですけど。「もっと早く辞めてもいい」みたいなことは思いますね。

けっこう3、4年ぐらい「やっぱ辞めるとか不安だなあ」と思って迷ってたんですけど。別に全然早く辞めてよかったし。

ちょっと3、4年ムダにしたなあって感じはあるので。それぐらいですかね。

鶴見さんありますか?

鶴見 20代……20代の頃っていったらやっぱり『完全自殺マニュアル』とか(笑)

pha・大原 (笑)

鶴見 書いたり色々してた頃ですけど。うーん、そうですねえ……激動だったですけど。

pha あー、そうですね。

鶴見 降りてるっちゃ降りてたし。何て言ったらいいですかね? 難しいですね。

pha 降りてたんですね。もっとバリバリ野心があったわけではなかったですか?

鶴見 でもフリーライターとかすごい一所懸命やってたので。全然ブラブラしてる時もなくって。何だかなあ。

もっとほんと「グダグダしてもよかったかな」という。何かそれなりに、いろいろ張り切りすぎてたかもしれないので。ちょっと難しいですね。

大原 あのタイミングで『完全自殺マニュアル』を出したのは? いま思うと

鶴見 いやー、

大原 もうちょっとブラブラしててもよかった?

鶴見 その前にもうちょっとブラブラしてれば、

大原 その前?

鶴見 もっとキツくなかったのかもしれないけどね(笑)。

pha (笑)

大原 複雑ですね(笑)。

鶴見 よく分かんない(笑)。別にそんな昔の話聞かされても全然誰も、俺だって上手く言えない。

次の質問どれがいいでしょう。

大原 これとかすぐ答えれるんじゃないですか?

pha あー。

大原 これたぶん僕ら二人。

鶴見 そうだね。

大原 じゃあ、読みますか。

本が売れて収入が増えていると思いますが、そのお金は何に使いたいですか? あるいは使っていますか?

これ私、近況報告で言おうと思ったんですけど言いそびれちゃって。「たぶん誰も聞いてこないだろうなあ」と思うから言おうと思ったんですけど。

ちょっと言いそびれちゃて。聞いてくださってありがとうございます。

今年間違いなく年収90万超えるんですよ。

pha (笑)

大原 地味に超えてるので。100……どうでしょうね。普通に働いてる仕事――そっちがメインと私は思ってるんですけど――のもあるので。150万ぐらい行くのかな。

そうすると数年ぶりに税金を払うことになるんじゃないかと。ちょっとワクワクしてますね。

お金何に使いたいか……あんまり欲しい物が相変わらずないので。さし当たっては何もしないと思います。

pha 僕も何か売れてるって言っても、そんなに収入あるわけでなくて。百数十万とかなんですけど。

どうですかね? 僕もそんなに使いたいものないんで。売れてそのお金が入ったら「この分働かなくていいな」っていうのだけ考えますね。

「この貯金があればあと1、2年持つな」とか。そういう何か生命維持……それしか考えてない。

大原 私は台湾で隠居するのに、なるべく印税使わないようにしようと思って。

pha あー、偉い。

大原 うーん、「偉い」というか自分が知りたいんですよね。「印税なしで普通に行って隠居できるのか?」っていうのを知りたいので。

pha そうなんですね。

大原 使わないように。

pha 印税って安定して入るものじゃないですからね。そんな毎年……毎年本出すのとかいつまで続くか分かんないものだから。僕も当てにしない方がいいんだけど。

鶴見 これ。

最近注目している人物はいますか?

大原 個人的に注目してる人物。

鶴見 あー、個人的にね。

pha あんまり思いつかないな。

大原 僕もあんまり思いつかないんですけど……何か

pha どっちでもいいですよね。

大原 やっぱり精進料理とか。関係あるかわかんないんですけど。

鶴見 作家さんという質問も来てんで。作家さん。いや、本でも。前回本については取り上げたしね。

pha 精進料理?

大原 あ、はい。精進料理ばっかり食べてるのが関係あるか分からないんですけど。ほんとに欲望が

pha (笑)

大原 無くなってきているっていうの、まあ本にも書いたんですけど。物欲とか性欲とかはいいんですけど、あっちで質問頂いたような、何て言うのかな? 知りたい欲? 知識欲とか。

あと文化に触れたいっていう欲まで無くなってきちゃってる気がしてて。「ちょっとヤバイんじゃないかなあ」と思うことがあります。

とか言ってる一方で、これがどこまで行くのかちょっと楽しみでもある。

pha ほんとにそれは隠居っぽくて面白いですね。

大原 このまま行ったらほんとにどうなるのか。

pha たまに「ガッツリ肉を食べよう」とか思わないんですか?

大原 うーん、自分から食べることはあんまりないですね。やっぱり。友達と食べに行ったりとかして食べることはありますけど。自分から食べることあんまりないですね。やっぱり。

他に何か。

鶴見 これとか。

みなさんがそれぞれに特に幸福を感じる時や物はなんですか?

pha さっき言ったけど、散歩して本でも読んでればいいかなって。

鶴見 そうだよね。それはさっき話してるから。

pha あと僕サウナに最近はまってて。サウナばっかり行ってますね。

大原 書いてますよね。何か。

pha 書きましたね(笑)(註1)。

大原 連載で。最近ですか? サウナに行き始めたのは。

pha いや、3月からとかなんですけど。半年、1年は経ってないぐらいなんですけど。

大原 へー。サウナに。

pha まだ続いてますね。サウナブームは(笑)。

鶴見 そうだね。これ「最近何してますか?」と似たような感じの話になっちゃうからね。

大原 でも私これ……幸福を感じる時って、さっきのphaさんと同じで散歩してる時もそうなんですけど。

何かをしてる時じゃなくて、会いたくない人に会わなくていいとか。行きたくないとこに行かなくていいとか。

そういう「やりたくないことをやらなくていい状態」が幸せだなあと思いますね。何もしなくていいんです。ほんとに。

鶴見 あー、なるほど。

大原 やりたくないことをやらなければ幸せです。

鶴見 そういう状態いままでなかったけども、最近はできるようになってきたみたいな?

大原 やっぱり台湾に行ってからでき上がって来ると、まあ何かでも9月10月ちょっと仕事がほんとになかったんで。11月が意外に忙しくて。

これからまた色んなものを排除して隠居生活できるんじゃないかな。日常生活作るの時間掛かりますね。やっぱり。

隠居、20代で隠居もそんなに一朝一夕に出来たわけじゃないし。長い目で作っていければいいかなあと思ってます。そんな感じですね。

鶴見 phaさん個人に対する質問がけっこうね、

大原 ありましたよね。着眼点が面白い。

鶴見 けっこう具体的な。「『フルサトをつくる』(註2)を拝読して熊野……

pha

熊野みたいなフルサトがほしいですが、知り合いやツテがありません。どうすればいいでしょうか?

鶴見 どうすれば作れますか?」

pha でも何か行ってみることですね。何かイベントあると思うんです。僕の田舎も移住者促進だとかそういう説明会だとか。体験宿泊だとか。

行ってみて、喋って、とかいうのを繰り返してたら何かできると思いますね。

大原 ダメだったらダメだったでいいですよね。何か別に、今すぐやんなくても何年か掛けて

pha そうですね。

大原 最終的に作れれば。

pha とりあえず旅行者として色んな場所に行ってみて、良さそうだと思ったらもうちょっと深く話を聞いて。

ほんとに人は募集してるので。触れ合う気があったら触れ合える機会はいっぱいあるので。重宝されると思います。興味があるというだけで。という感じで。

大原 はい。

pha ありませんか?

鶴見 俺も特に人って……ふとは思い付かないですねえ。

pha あー、そうですね。

鶴見 俄かには思いつかない感じで。

pha 僕も人と言われると……。

鶴見 毎回色んな話をしたんで。これに答えるとその話したこと

大原 繰り返しみたいな。

鶴見 そう。繰り返しみたいになっちゃう部分がある。それぐらい何かあまりにも多岐にわたって話したという。えーっとね、

1億総活躍社会という流れが息苦しい。活躍してる人がどうもハッピーに見えない。活躍したくない人、活躍しようにもできない人が幸福でいるためには何が大切だと思いますか?

まあ、女性に対してはね、「職場に出て働け」みたいな感じだし。総活躍というのも。

大原 「活躍したいかどうか?」を何で国が決めなきゃいけないのか分からないんですけど。それは自分で決め……活躍してくれた方がね、安倍さんはハッピーかもしれないんですけど。

鶴見 その方がGDPとかも増えるからね。

pha 何かね、国の基準で活躍してるかどうか決められる

大原 国の都合ですよね。ほんとに。

pha わけですよね。

大原 無視無視。そんなの。

pha (笑)まあ、それとは別に社会的に働きづらい、女性がそうなんだったらそれを道を拡げるみたいなニーズが必要だと思いますけどね。

大原 1億総自由社会がいいですね。働きたいけど働けない人が働けるとか。

pha そうそう。

大原 働きたくないけど働かなきゃいけない人が、なるべく働かなくていいとか。

pha 基準がいろいろあったらいいと思うんですよね。でもこの1億総活躍社会って、国が考えるこういう基準に「満たせないといけない」みたいなやつですからね。

大原 全然多様性ないですよね。

鶴見 活躍したくない人が幸福でいられるためには、やっぱり地域とかでもそういう人たちが活動できる場所とかはあんまりないですよね。

主婦の人とか老人とか、そういった人たちのイベントだとかたまり場とかはすごい用意されてるんだけど。

大人の男でフラフラしてるような人たちが参加できるようなものとか全然なかったりして。

大原 主婦は活躍してると思いますけどね。

鶴見 不審者ですよ。不審者(註3)。

pha (笑)そうですよね。

鶴見 子どもに「ダメダメ! 話しかけちゃダメ!」。不審者(笑)。

pha そうそう。

鶴見 「あの人に話しかけられたら逃げなさい」みたいな。

大原 (笑)

pha 平日昼間とかね(笑)。

鶴見 そういう人たちがだから上手く何かね、地域とかでも機能できるような何かを国も作っていくべき。

大原 要するに経済的にってことですよね。ここに括弧つけるなら。一億総「経済的に」活躍社会。

鶴見 そう。

pha そうですね。

大原 私でも、隠居してた時も言うなれば自分活躍してるって言えるし。

pha そうそう。活躍。

鶴見 そうだよね。

大原 別に社会に出てなくたって、おじいちゃん、おばあちゃんとか孫の面倒見てたら活躍してると思うし。

鶴見 これはもう、何か日本の戦後史の中でも90年ぐらいまでの価値観における「活躍」だから。

みんな会社に行ってバリバリ働いて。奥さんは家事もやりながら子育て頑張ってみたいな。そういう価値観に則ったものを「活躍」ってたぶん思ってるんだろうね。やっぱ。

pha だからまあ、最初の方で言った通り、自分なりの基準で自分なりに活躍してればいい――というのを持つのが大事だと思いますね。

鶴見 そうですね。

大原 自分なりに活躍すると国は困るんでしょうね。

pha (笑)でもそれはね、

鶴見 GDPが増えない。

pha 知ったことじゃない。

大原 (笑)知ったこっちゃない。

鶴見 あとはほんとに「活躍」の、政治とかやってる人たちが考える「活躍」の考え方が古すぎる。もう。

大原 「活躍」の意味が。

鶴見 みんな家族、家庭を持って。一人でいる人はとっとと結婚して。子どもがいない人はとっとと子ども作って。そうしたら「活躍」みたいな。

もう古い! あまりにも。まあ、phaさんとかはすごい書いてるけど。それで何か押し付けられたらもうたまんないんですよね。

そういう風な人なんて、3分の1ぐらいはもう結婚しないとか。子ども持たないとか。すごい増えてるのに気づかないみたいな。

大原 静かな抵抗が着実に広まってますね。

鶴見 そうですよ。

大原 まあでも……活躍しようにもできない人、もうできる人からどんどんやってくしかないのかな。

(註1)pha「サウナ編完結しました」/phaの日記を参照。

(註2)pha「『フルサトをつくる』目次と「はじめに」を公開します」/phaの日記を参照。

(註3)鶴見済(@wtsurumi)「「逸脱者」は社会がこうあれという「正常」の基準から外れているだけで、逸脱者の一種にすぎない「犯罪者」と同じではない。けれども防犯において多用される「不審者」という言葉には、両者の区別がないのがダメだ。「逸脱」(あるいは異常)は決して悪いことではない」2016年4月26日23:17:37ツイート

8.質問コーナー(2)