それぞれの幸福の自給自足法

2016年12月2日(金) @下北沢B&B

4.オルタナティブを作りたい

鶴見 phaさんは? 最近は?

pha あ、僕ですか?

大原 何か時間がないですね。やっぱり。

pha 僕はそうですねえ、バイトしてて辛くなってるみたいなのがあるけど(笑)。

鶴見 (笑)

pha まだ辞める気はなくて。久しぶりにバイトみたいなのをしたんですけど、昔働いてた時の辛さを思い出して。

週に1回バイトをすることで労働へのヘイトを溜めるモチベーションが。「やっぱ働かないぞ」という思い出しっていうのが「ちょうどいいかな」っていう感じで。

大原 じゃあ、日数じゃないってことですね。その怒りというか。

pha いやまあ、1日、週1だから耐えられるっていう感じですね。これ毎日だったら「たぶん2週間で辞めてるな」って感じですけど。

もう何かね、けっこう会社辞めたのが10年ぐらい前で。10年ぐらいわりと定職には就かずに何かまあ、本書いたりとかはしてたけどフラフラして。

忘れてたんですよね。自分が働けないことを。

「別にオレ働けんじゃない?」とか、ちょっと思って最近過ごしてたんですけど。やり始めて「やっぱ無理だ」っていうのを確認できて良かった(笑)。

大原 よかったですねえ。

pha 別に楽な仕事なんだけど「何かやっぱダメだわ」「俺はもうフラフラ生きていくしかない」っていうのを確認するためにちょっと働いてて。

大原 それは経済的にやんなきゃいけなかったんですか?

pha いや、そこまで困ってるわけではない。今のところは。

大原 じゃあ、ほんとに思い付きっていうか。

pha そうですね。何か世界が広がる感じもあるし。

あとまあ、もう一つそのバイト始めた理由はあって。

その会社でやることで、わりと周りにお金が無いとか職が無いみたいな人が多いので。バイトを振って、バイトの斡旋ができたらいいなっていうのを思っていて。それをちょこちょこやってますね。

その会社でパソコンに向かってやる仕事とか、あと在宅でできる仕事とかがあって。それを普通に働くのが苦手な人に紹介してやっていきたい。

そういうお金ない人を受け入れたりとか、知り合いを受け入れたりとかはしてるんですけど。やっぱり収入がないと全部養うほど僕は余裕があるわけじゃないし。

本当にどうしようもなくダメな人は生活保護とらせたりとかするんですけど。

そこまででなく、ある程度の仕事だったらできる人みたいなのにハードルの低い仕事を用意して。「上手く回っていったらいいなあ」と思ってやってるんですけど。そんな感じですね。

大原 何かいい話ですね。

pha そうですかねえ。

鶴見 雇用を生むみたいな。

大原 徳積んでますね。

pha いや、でもわりとゴミみたいな仕事ですけどね(笑)。けっこう安い(笑)。

ゴミみたいだけど気楽な仕事とかを普通に働けない人に振る、みたいなことを上手く回したいんですけど。でもまあ、まだ……

鶴見 仕事のシェアという。

pha シェア。

鶴見 シェアリングですね。

大原 みんなで働いてる感じしますよね。phaさんって。

pha そうですね。

大原 みんなで住んだり、みんなで生きたり。

pha うんうん。

鶴見 phaさんは基本的には1人っていうよりも、むしろ数人の方が好きなんでは? という。

pha そうですね。何か人……どうですかね。緩い感じで数十人集まってるのがいい感じですね。数人で固定して住むとかはやっぱり苦手なんですけど。

鶴見 ああ。

pha 流動性のある数十人ぐらいの場所を作るのが好き――みたいな感じですね。何かまあ、あんまり自分一人だけ何とかなっても仕方ないというか。

一応、今のところ本書いたりとか何だかんだで、自分一人はわりと何とかなってて。それもいつまで続くか分かんないんですけど。

それをやってても「面白くないなあ」と思って。他の人も上手く巻き込めることが出来たら「いいなあ」っていうのは最近思ってますね(註1)。

鶴見 そこが何かね、大原君と違うところのような気もしますね。

大原 うん。

pha あーそうですね。

大原 私、虫のように一人なんですよ。

pha 虫ですか(笑)。

鶴見 虫だっていっぱいいる。集まる。

大原 群れる虫もいますけど。「虫のように孤高だなあ」と思うことがありますね。ただ一人でいますね。

pha 台湾住んでて、あんまり普段会話とかしないみたいな。

大原 誰とも話さずに終わる一日もありますね。でも大丈夫ですね。生まれつきなんでしょうか。

pha 生まれつき……なんじゃないですかね。

鶴見 でも群れるのが好きな人は群れても、別にそういうのは否定するわけではないんだよね?

大原 うん。そうですね。

鶴見 「ダメだなあ」と思ってるわけでもないんだよね? 各々に合ってればそれでいいわけなんだよね?

大原 合ってて、かつ、押し付けてこなければ大丈夫。

鶴見 あ、押し付けてくる人もいるから。「何で一人でいるんだ」みたいな。

大原 そうそうそう(笑)。押しつけるメンタリティはね、ちょっと。

鶴見 「可哀想だね」とかそういう変なあれもあるしね。何かね。一人でいるとね。

大原 うーん、そうなんですかね。可哀想……。

鶴見 蔑んで変に見るみたいな。そういう押しつけのような何かがあるからね。

大原 こんだけハッピーって言ってても、やっぱり

鶴見 あー、そうか、そうか。ハッピーって言ってる。

大原 可哀想って思いますかね。

鶴見 あー、いや、そうでもないかもしれない。

大原 信じない人。うーん、いるかもしれないですね。信じてくれない人は。

pha 「負け惜しみで言ってるんだ」みたいな。

大原 うんうん。

pha 「ほんとはカネ欲しいんだろ」みたいな(笑)。

大原 (笑)

鶴見 じゃあ、

大原 本題行きますか。

鶴見 いや、私が最近何を言ってるかっつーの。

大原 あ、はいはい。お願いします。

鶴見 ちょっと異常に(笑)、異様に予想外に時間が押したんで。前半はちょっと

pha まあ、

鶴見 本題、この後に幸せの自給法について話すという大テーマがあるのに、予想外にここまでに時間が掛かってしまって。

大原 いやー、あっという間です。ちょっとね。

鶴見 それは休憩とってからにしようか。

pha そうですね。

大原 そうですね。

鶴見 じゃあ、オレ手短に。俺はけっこう最近、まあいろいろやってんだけど。まあ、あんまり「あれもやって、これもやってる」とか言うのうざったいしね。

pha いや、そんなことは(笑)。

鶴見 自己紹介とかでさあ、じゃあ、みなさん何やってるか? 自分のことやってる、すごいみんな自分のやってるいいこととかさあ、言ってさあ。

それで自分だけ「あ、ボク何もやってません」って言う時のああいう嫌さもあってですね。

大原 (笑)

鶴見 あれやってるこれやってるって、ある種の「しなきゃいけないリスト」みたいなものでもあるので。

大原 うんうん。

鶴見 そんな大したことないことを言おうかな? というですね。野菜育ててる(註2)。野菜育てるのいいですよ。すごく。

大原 地球、地球の……

鶴見 そうそうそう。でもちょっと、これはあれだな。でも「いいことしてる系」のやってることに入りますけどね。

pha 全然いいと思いますけど(笑)。

大原 イメージ上がりますね。

鶴見 地球にもいいしさ。

大原 うん。

pha 野菜はいいですね。

鶴見 でも野菜育てるのね、ほんと精神衛生上いいですよ(註3)。むしろ他のさあ、仕事とかってすごいやればやるほど頭痛くなる感じだけど。

それやってるとむしろ、むしろ頭が痛い時にそういうのやりたくなるぐらいな感じで。

世の中にね、こんな仕事がすごいいっぱいあったら「救われる人もいっぱいいるんじゃないかな」って思う限りっていう。

人間相手の仕事ばっかりになってるでしょ。

pha そうなんですよね。今。

鶴見 現代社会は。情報処理だとか、接客だとか、クレーム処理だとか。もっとね、人間の長い歴史って、自然相手とか物を相手にする黙々とした仕事とかばっかりだったはずなのに。

まあ、この現代社会においては対人関係、対人間処理関係の仕事ばっかりになってて。だから適応できない人いっぱい出てるんだろうな、とかね(註4)。

pha あー、それはありますよね。

大原 じゃあ、適応できないのが自然?

鶴見 そう。100年も前だったら誰も適応できないような。100年以上か。江戸時代までだったら、そんなの誰も適応できないようなことを今みんなでやってるんですよね。

pha 昔は別にね、対人関係苦手な人もそういう何か自然のもの相手したり、あと物を作るとかそういうので。

鶴見 そうそうそう。

pha だけどそういうのも無くなっちゃってるから。生きづらい人多いんじゃないですかね。今。

鶴見 逆に考えたらそんな江戸時代とかに、今みたいな誰とでも上手く話が合って、誰とでもワーッて面白い話ができるとかそんな人、そんなに価値あったかどうか謎。疑問ですよ(註5)。

pha あー、そうですね。

鶴見 変わった人。すごい変わった人だよね。そういう人の価値はすごい上がったと思うけど。

一人で黙々と何かこうね、種まいて。それをこう、雑草とってみたいなことやる人は、残念ながら「向かない時代に生まれついてしまった」みたいなことをね、そういうことやってるとすごい感じますよ。

木伐ったりもするんだけど、やっぱりストレスの解消にもなりながら仕事になってる。作業になってるんで。

これ、「こういうのがあったら良かったなあ」とか思いますけどね。そんな感じで……。休憩にじゃあ、

大原 行きましょうか。

pha 休憩しますか。

大原 ちょうどいですね。

鶴見 はじめに休憩して。じゃあ、5分か10分ぐらい休憩して。

大原 はい。

鶴見 その後、本題に入ったり、質問に答えたりさせていただきます。

大原 そうそう。今日は質問があるんですよね。

pha 紙を……。

鶴見 そうそう。

pha 質問ある方は紙に。もらってると思うので。

鶴見 この時間内に出さないと質問は読まれない。

pha はい。紙を回収するのかな。

鶴見 この休憩時間内に出してみてください。じゃあ、とりあえず

大原 休憩行きましょうか。

鶴見 はい。しばらく休憩。10分。

pha 休憩で。まあ、9時ぐらいまで。

鶴見 9時ぐらいまで。

(註1)pha「最近考えていること」/phaの日記を参照。

(註2)蜂谷翔子「種子を巡る冒険③鶴見済さん達が自主耕作している放棄されていた国有地に種子をまきに出かける」/8bitnewsを参照。

(註3)鶴見済(@wtsurumi)「畑のサツマイモが豊作だった。植物を育てるのは精神衛生にいい。他の生き物がたくさんいる世界に関わっていると、「人間関係がすべて」とは思えなくなる。人間関係に全部失敗しても、一巻の終わりではなく、逃げ場があるような気になる。人間関係がすべてという人ばかりの世界はきつい。pic.twitter.com/smwfbYsY99」2017年11月13日23:20:40ツイート

(註4)鶴見済(@wtsurumi)「学校や会社の人間関係で痛い目にあって社会から降り、戻る気もなくした人が異様に多いと思うが、人間関係のきつさを問題視するような動きはない。学校の集団行動の多さとか。世の中を動かしているのは人間関係のエリートたちなので、そうなるのかもしれない」2017年11月14日23:25:53ツイート

(註5)鶴見済(@wtsurumi)「「人間関係」というものがこれほど重要になったのは、大衆社会が成立して、人対人の産業・第三次産業が隆盛を極めた20世紀以降のことにすぎないと社会心理学者の加藤秀俊。それまで「人づきあい下手」も「社交性抜群」もこんな重大事でなかった。馴染めない人より時代のほうがおかしいとも言える」2016年12月7日22:51:55ツイート

5.幸せの基準を輸入しない